Story
あのコの前で、わたしはわたしを偽っている。
わたしの前で、あのコはあのコを偽っている。
ネガポジポジポジネガポジポジ・・
あの日、あおコが現れるまで、わたしたちは友達ではなかった。
東京の片隅でせんべい屋を営んでいる「万田(まんでん)家」。
父はおらず、ひとりの母と多感な4人姉妹で暮らしている。
1988年の大晦日、まんでん家に次女・りさの“友達”由美がやってきた。
ポジポジしている由美とネガネガしているりさ、友達になれそうでなれない二人。
ニッポン中が「バブル景気」に沸き立っていたあの時代から、
未来の扉が見えなかった世紀末にかけて、
彼女たちのいびつな成長や衰退を、「家族」のいる場所から綴っていくヘンテコオペレッタ。
その名も「ネガポジポジ」。